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lirik lagu vermillion-d alice syndrome - 蝿の王 (hae no ou) (kanji)

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あの音が聴こえるか
心地良い 赤い せせらぎの音だ――

その名を聞いたことがあるだろう
古の印を与えられ 強固たる理念に付き随い
唯一つの頂に靡き 統率された凶猛の衆
響き渡る跫音に 皆 恐れ慄き跪く

息を殺し 唯 狂飆が去るのを待つ
眼を閉じても 脳裏にこびり付いて離れない
意識を擦り潰す 霹靂の如き 閃光の中
焼け爛れた影供が揺れている
影は刻々と迫り やがて私を飲み込むだろう

(紅蓮に染まる 首枷に繋がれて
光も届かぬ暗い深海に 嗚呼 溺れていく
散りゆく欠片に映し出された
無残に転がる 歪な名残は 嗚呼 後を引く)

紅蓮に染まる 水面に揺れてる
孤独に もがき続けて 嗚呼 届かぬ 名も無き歌に 溺れていく
雪のように 舞い散る 光に 囚われ
歪んだ 鏡の中で

「強烈な臭気に誘われて 真っ黒な人達が集まってくる
彼等は赤い川へと入っていき 唇と尖らせて ずるずると啜っている
それは霊的で根源的な行為であり 神秘的であったが
おぞましくもあり 何か とてつもなく背徳的なものに見えた」

その名を知らぬものはいない
新たな時代の礎 数多の死の上に築きあげ
唯一つの地に集い 世界を二分する混沌の中
第三の光を求め その力を行使する

(群れ集う蠁子(さし)の嘆きは
やがて 仇となり 渦巻き 深く蝕んでいく 穢の中で
打ち鳴らす 閉眼の音を
踏み躙る手と 障礙の二葉を 燃え落ちていく 夜陰に隠し)

渦巻く声と 悲嘆に毒され
私を蝕んでいく 嗚呼 聴こえる 鳴り止まぬ 閉眼の調べ
白き手と 障礙の二葉は 濁り 燃えゆく 宵闇に隠して

どこからともなく聴こえて来る 黒い音
畏怖か 陶酔か 皆 その音に聴き入っているようだ
燃え滓は 仇となり 燻り続ける
人々は口を噤み その様子を眺めていた
無数の羽音は重なり合い 次第に大きくなっていく
改革された意識の下に新生するものへの祝福だ

それは感情を侵し 意識を蝕み やがて深淵へと至るだろう
腐敗した林檎のように どろどろにとけ溶けて
全ては沸々とした黒い川へと帰り行く

それは魂の拠り所であり 揺り籠であり 墓である
色無きものは 連なり 擦れ合いながら 嗚咽し 涙を流す

「彼等には翅がある その耳障りな音色は大層不愉快だ
汚れの中で蠢き 喚き散らしている
やがて翅を焼かれ螺旋を描き墜ちていく
彼等の見ているものは全てはまやかしだったのだ
しかし孤独な王は 孤独故に気づくことはない」

「それは巨大な精神の巣であり
体系化した力によって統率されている
だが、肥大した精神は形骸化し
やがてその意味を失くすだろう」

千切れた虫のように もがきながら
這いずり回り 転げ落ちる
痛みも 苦しみもない
唯 彼等は幻影の中で踊っているに過ぎないのだ
荒れ狂う糸をより その眼を縫い合わせ
潰れた抜殻を塗り固めて形成した足場を踏み鳴らす
それらは綺麗に足踏みを揃え 一つ二つと増えていき
澱みなく高らかに響き渡る

「もうここには誰もいない――」

埋め尽くす 空音と 掠れた日々の中で
錆びた 火輪に 揺蕩う
戸惑い 忘れた 過ぎ去る明日の声は
灰色の 風に攫われ

【黒の広場】

人は元来 森羅万象に隷属するものであり
恒久たる幸福を享受すべく 邁進せねばならない
然るに 愚劣な害虫は 驕り高ぶり
腐った脳髄から欺瞞に満ちた平等を垂れ流している

とうにその本質は失われ
虚偽の上に築かれた破壊は
もはや脅威となりつつある
その極めて物質的な感覚は
迷える精神を侵し
やがて絶望のなかで色を失っていくだろう

我々こそは秩序であり
選ばれし血の正統たる後継者である
大宇宙の真理を理解し得る
唯一の存在であり
至高の意志の体現者である

地上に蔓延る虚偽を廃絶した暁に
暗黒の時代は終わりを告げ
光溢れる時代へと入るだろう
そのとき我々は
天から与えられた
真の自由を手にすることができるのだ

今 この瞬間にも
同胞は傷つき 血を流し 苦痛に耐え忍んでいる

理想の実現を希求し 来る安寧の日の為に
その身を焦がし続けている
それら高潔たる忠誠は
讃え 喝采すべきである

我々を栄光へと導く最も神に近い存在なのだ――

「忠誠を名誉とし
命の尽きる瞬間まで従属する
黒い幻想の輩である
それらは霊により繋がれ
時間の波を超越し
再会すると妄信している」

燃えている人――人――、人――。

額が燃えている 凛然と輝く光の帯
それは威厳の象徴と畏怖の対象であり
天上に昇る過程において獲得するであろう
罪深き救いの手段である

終末はいずれ来る 一切は壮絶な炎のなかで滅び去り
まだ一切は暗澹たる闇のなかから生まれくる
それは宿願たる千年の始まりの日 魂の解放という名の変異である

太陽が沈むとき 古きものは信仰とともに消え失せる
虫が脱皮するように 回帰のなかで 段階的に見られる現象だ
やがて硬化した世界の殻を破り 炎が這い出してくる
彼等は飛翔し 螺旋を描きながら どこまでも 永遠に――

「昇っていくだろう」

嗚呼 高く 棚引く 墓の下で
貪る 理想の花を
歪な 子守唄を 聴きながら
胎児は 真紅の 夢を見る

運命(さだめ)と 来る 憩いに揺らいで 終わりのときを待つ
嗚呼 黒い光が流れていく 滅びの先で眠るのだろう

万歳! 万歳! 万歳!

あの音が聴こえるか
気味の悪い 黒い 飛翔の音が――


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